初めて訪れる前に読むべき!様々な楽しみ方がわかる栃木旅行ガイド
東京からアクセスが良く、雄大な自然景観と歴史文化を感じる世界遺産で有名な栃木。
それだけでなく、家族で楽しめるリゾート地もあり、様々な楽しみ方ができる。
この記事では栃木の魅力をまだ知らない方に向けて、エリア別の魅力と見どころ、交通情報、モデルコースなど、旅行に必要な情報を網羅的に紹介していこう。
雄大な自然と美しい歴史的建築物に出会える「栃木」
日本の首都・東京が属する、関東地方の北部に位置する栃木。
内陸県ではあるものの、西部と東部には山々が聳え、中央部から南部にかけては日本最大の平野、関東平野が広がる。
そのため、栃木を旅行すれば雄大な自然景観に出会えるだろう。
「中禅寺湖」や「華厳ノ滝」は人気が高く、特に紅葉の名所として知られている。
雄大な自然景観と調和した歴史的建造物が魅力の「日光東照宮」「日光山輪王寺」「日光二荒山神社」は、それらに属する建物群・遺跡と合わせて世界遺産に登録。
渓谷美を堪能できる温泉地「鬼怒川温泉」にも、東京都内から癒しを求めて多くの人々が足を運ぶ。
雄大な自然景観と貴重な文化財をはじめとする、魅力溢れる栃木旅行に出かけてみよう。
栃木の平均気温と着衣例
平野部と山地では気候が大きく異なり、平野部は比較的温暖。
山地では平野部より気温が低いものの、夏には雷がよく発生する。
梅雨にあたる6〜7月よりも8〜9月の方が降水量は多い。
冬は朝夜の寒暖差が激しく、空っ風が吹くため、しっかりと防寒対策していこう。
栃木の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 2.8 | 3.8 | 7.4 | 12.8 | 17.8 | 21.2 | 24.8 | 26.0 | 22.4 | 16.7 | 10.6 | 5.1 |
栃木の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): ジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
栃木へのアクセス
東京から栃木までは、新幹線を利用して50分ほど。
大阪からであれば、東京で新幹線を乗り継いで3時間30分ほどだ。
栃木には空港がないため、海外からアクセスする場合は羽田空港を経由する必要がある。
羽田空港から主要駅へのアクセス
ここからは羽田空港を起点に、栃木旅行での移動拠点になる「宇都宮駅」へのアクセスを紹介しよう。
羽田空港は海外から関東地方を訪れる際の玄関口であり、東京観光から栃木へ足を伸ばす際にも利用することが多い。
なお、新幹線を利用すれば乗り換え回数と交通費は増えるものの、下記の経路より40分ほど所要時間を短縮できる。
- 経路
-
1.羽田空港第1・第2ターミナルで京急空港線急行に乗車し、「品川駅」で下車
2.品川駅でJR上野東京ラインに乗車し、宇都宮駅で下車 - 所要時間
- 約2時間20分
栃木の主要交通手段
栃木は公共交通機関が充実しているため、電車やバスだけでも快適に観光できるだろう。
ただ、運行本数が少ない線路もあるため、事前によく調べた上で旅行プランを立ててほしい。
また、北部の日光エリアや那須エリアは自然が豊かなだけに、電車やバスだけでは移動しづらい。
両エリアを巡る場合は、レンタカーの利用も検討しよう。
栃木旅行で利用すべきお得な乗車券
ここからは栃木旅行の交通費を抑えたい方に知ってほしい、お得な乗車券を紹介しよう。
交通費を飲食代や宿泊費に回せば、より充実した栃木旅行になるだろう。
まるごと日光東武フリーパス
「まるごと日光東武フリーパス」とは、指定した出発駅から「下今市駅」までの往復乗車券に、電車とバスのフリー区間乗車券がセットになったもの。
栃木の人気観光スポットの集まる日光で利用できる乗車券がセットになっているため、日光へ訪れる予定がある方は、ぜひ利用を検討してほしい。
料金は利用時期と出発駅によって異なる。
例えば4月~11月利用の「浅草駅」発であれば、大人4,810円で小児が2,420円となっている。
有効期限は時期と駅に関わらず4日間だ。
詳しい料金と鉄道やバスのフリー区間については、公式サイトを確認してほしい。
お土産の購入に割引が適用される特典があるのも嬉しいポイントだ。
栃木旅行前に知るべき5つのエリアの魅力
栃木の観光エリアは5つに分けられるため、エリアごとの魅力と見どころを紹介しよう。
観光するエリアを絞ることで効率的に移動できるため、より多くの観光スポットを巡れる。
エリア別の魅力と見どころを知ることで、旅行プランの作成に役立ててほしい。
避暑地・リゾート地として知られる「那須エリア」
栃木の北東部に広がる「那須エリア」。
那須岳を主峰とする「那須連山」を中心に雄大な自然が広がり、四季折々の風景を楽しめる。
那須岳の南麓に広がる「那須高原」は特に有名で、日本でも有数の避暑地となっている。
様々なレジャー施設や牧場だけでなく、リゾート地である「那須温泉郷」もあり、家族旅行にもピッタリだ。
秘湯が点在する、温泉好きにもお勧めしたいエリア。
栃木旅行の定番スポットの集まる「日光エリア」
栃木の北西に位置する「日光エリア」は、世界遺産の「日光の社寺」が特に有名だ。
「日光東照宮」は栃木旅行の定番スポットとなっており、精巧な彫刻と極彩色の装飾が施された社殿群は国宝や重要文化財に指定されている。
同じく定番スポットの中禅寺湖と華厳ノ滝も日光エリアだ。
季節ごとに異なる絶景を見られるが、紅葉で彩られた中禅寺湖と華厳ノ滝は格別の美しさを誇る。
中禅寺湖へ行くなら、遊覧船に乗って船上から鮮やかな絶景を楽しもう。
日光エリアを旅行するなら、拠点とするべきは鬼怒川温泉。温泉で癒されるだけでなく、渓谷美と退廃美を堪能できる。
都市部と自然が共存する多様な魅力を持つ「県央エリア」
栃木の中央部に広がり、中心都市「宇都宮市」がある「県央エリア」。
都市部と自然が共存しており、ショッピングやグルメを楽しめる商業施設や文化施設だけでなく、レジャー施設もある。
県央エリアの人気観光スポット「大谷資料館」では、巨大な地下の採掘場がライトアップされており、幻想的な景色と雰囲気を味わえる。
「若竹の杜 若山農場」も人気の観光スポットだ。
約24haの敷地に竹林が広がっており、木漏れ日が差し込む景色は幻想的で美しい。
非日常的な空間が広がっているため、日々の疲れやストレスをリフレッシュできるはずだ。
栃木の伝統工芸に触れられる「県東エリア」
栃木の南東部に位置する「県東エリア」は、豊富な農作物と美しい自然景観が魅力。
文化施設も多く、栃木を代表する伝統工芸・益子焼で有名な「益子町」があるのも県東エリアだ。
益子焼は陶器のひとつで、安心感のある厚みと手に伝わる土の質感が特徴。
「益子陶芸美術館」では益子焼の歴史や魅力がわかる展示がされているほか、併設されたショップでは実際に益子焼の器や雑貨を購入できる。
「いがらしリゾート」もお勧めしたい観光スポットのひとつだ。
5つの施設でアスレチックやプール、温泉などの様々な楽しみ方ができるほか、時期によってはイチゴ狩りも楽しめる。
栃木はイチゴの名産地として知られており、時間内であれば完熟のイチゴが食べ放題だ。
観光だけでなくショッピングもグルメも楽しめる「県南エリア」
栃木の南西部に広がる「県南エリア」は、文化施設やレジャー施設、神社仏閣など多彩な観光スポットに恵まれたエリア。
なかでも、広大な敷地内で四季折々の花々が楽しめる「あしかがフラワーパーク」は人気が高い。
4月~5月に見頃を迎える色鮮やかな藤棚が特に有名で、夜にはライトアップも施される。
県南エリアを訪れるなら、国の史跡に指定されている「足利学校」にも足を運んでほしい。
敷地内に点在する建物や庭園からは日本らしい風情を感じられるだろう。
「佐野市」は見どころが多く、ご当地ラーメンである「佐野ラーメン」も有名。
スポーツ&アウトドア、シューズ、生活雑貨、キッズファッションなど約180店舗が軒を連ねる「佐野プレミアム・アウトレット」も人気が高いスポットだ。
県南エリアは東京から特急電車で約70分という、アクセスの良さも魅力のひとつだ。
栃木を満喫するために必要な日数
定番スポットの集まる日光エリアに絞れば1日でも観光を楽しめるが、その他のエリアも訪れるのであれば、1泊2日は必要だ。
2日目に那須エリアを旅行する場合は、レンタカーの利用を検討しよう。
公共交通機関だけでは、多くの観光スポットを巡れない。
栃木の人気エリア・日光を巡る1DAYモデルコース
ここからは栃木の人気観光エリア・日光を巡る、1DAYモデルコースを紹介しよう。
神社仏閣や世界遺産で日本の歴史文化に触れつつ、雄大な自然も堪能していく。
栃木での旅行プランに迷ったら、紹介するモデルコースを参考にしてほしい。
このコースであれば、車を使わずに栃木を満喫できるため、ハードルが低いはずだ。
レンタカーを利用できるなら、1泊して日光と並ぶ人気観光エリアである那須も巡ってみよう。
8:50 東武日光駅からスタート
モデルコースの1日目は、東武日光駅からスタート。
駅からバスに乗って、バス停「勝道上人像前」で下車。
歩いてすぐに1件目のスポット「日光山輪王寺」に到着する。
9:00 日光の社寺のひとつ「日光山輪王寺」を散策
日光開山の祖である勝道上人が四本龍寺を建てたのが始まりと言われる「日光山輪王寺」。
日光山輪王寺はお堂や塔、支院全体の総称である。
見どころは日光山最大の規模を誇る木造建造物であり、千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の三体の仏像がまつられている「三佛堂」。
その他にも見どころ盛りだくさんの境内を散策しよう。
10:10 「日光二荒山神社」で良縁を願う
日光山輪王寺を散策したら、歩いて約10分の「日光二荒山神社」へ。
日光二荒山神社は、日光連山の主峰・日光三山を神体山として祀る神社。
福の神・縁結びのご利益でも知られる。
日光山内の入り口を飾る木造朱塗りの美しい橋「神橋」を渡り、楼門や拝殿などの美しい歴史的建築物を見学しよう。
11:50 「日光東照宮」の美しい社殿を見学
日光二荒山神社の次は、歩いて約5分の「日光東照宮」へ。
江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀る神社で、国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟の豪華絢爛な社殿群が見られる。
日本各地から集められた名工により、建物には漆や極彩色がほどこされ、柱などには数多くの彫刻が飾られている。
絢爛豪華な建築物と豊かな自然が調和した境内を、散策してみよう。
13:00 「日光湯波巻 全 – ZEN」でご当地グルメを味わう
日光東照宮を出て、日光街道沿いを歩いた場所にある「日光湯波巻 全 - ZEN」でランチを食べよう。
料理の主役は、栃木県日光市名産の日光湯波でご飯と地元の食材を巻き込んだ日光湯波巻だ。
フレンチや和食の店で経験を積んだ若きオーナーシェフ斉藤直樹さんが、自らの目利きで厳選した前日光高原和牛やとちぎ和牛、旬の地場野菜などの食材を、日光湯波とのマリアージュで楽しませてくれる。
15:10 「華厳ノ滝」で自然の迫力を間近で感じる
ランチを食べたら東武日光駅まで戻り、バスに乗りバス停「中禅寺温泉」で下車。
バス停からは歩いて約5分で「華厳ノ滝」に到着する。
日光には数多くの滝が流れているが、その中でも最も有名な華厳ノ滝。
中禅寺湖の水が、高さ97メートルの岸壁を一気に落下する壮大な滝であり、自然の迫力と、造形美を楽しめる。
エレベーターで滝つぼ近くの観爆台まで降りられるので、滝が落ちる音と水飛沫を間近で感じてみよう。
15:50 美しい景色が広がる「イタリア大使館別荘記念公園」を散策
華厳ノ滝で自然の迫力を感じたら、10分ほど歩いて「イタリア大使館別荘記念公園」へ。
明治から昭和初期には外国人の避暑地としても人気だった中禅寺湖畔に建てられた、イタリア大使館別荘。
建築家で外交官でもあったアントニン・レーモンドの設計で、市松模様を描くように杉皮で組まれた内外の壁が美しい。
中禅寺湖に溶け込むように調和した佇まいで、広縁からは雄大な湖の景観を楽しめる。
18:00「シェ・ホシノ」で地元の食材を使ったフレンチを食す
イタリア大使館別荘記念公園からタクシーに乗って、中禅寺湖畔の雰囲気にマッチした洋風のたたずまいが印象的な「シェ・ホシノ」へ。
本格的な味わいとリーズナブルな価格が嬉しいコースメニューが中心で、特にメインはニジマスやヤシオマス、栃木県産銘柄豚といった地元産の食材を使ったものが人気。
栃木の食材を使ったフレンチをディナーにいただき、栃木の日帰り旅行を締めよう。
栃木旅行で外せないご当地グルメ3選
ここからは栃木のご当地グルメを厳選して紹介しよう。
栃木を訪れるなら観光スポットだけでなく、グルメも堪能してほしい。
特に日光と佐野市はご当地グルメが多いので、旅行プランに食事を楽しむ時間もしっかり入れよう。
1. いもフライ
「いもフライ」とは蒸したジャガイモを串に刺し、衣をつけて揚げた料理のこと。
ソースをかけて食べるのが定番で、お店特製のソースを使用することも多い。
おやつとしても親しまれており、スーパーの総菜コーナーに並ぶほど地元では馴染み深い料理だ。
蒸したジャガイモの甘味とホクホク感、甘さ控えめのソースとの相性が抜群だ。
食べ歩きにも最適なので、栃木を訪れるなら1度は味わってほしい。
2. 佐野ラーメン
佐野市を中心に愛されている「佐野ラーメン」。
あっさりした味わいが特徴の醤油ラーメンだが、使用する出汁によってコクや旨味が異なるため、店舗ごとに異なる味を楽しめる。
出汁には鶏ガラや豚骨を使用することが多い。
麺の太さや形状は店舗により異なるが、青竹で麺を打つのが佐野ラーメンの大きな特徴だ。
青竹で打った麺は不揃いで、一口ごとに異なる食感を楽しめる。
佐野ラーメンの麺は熱伝導が良いため、茹で時間がかなり短いのも特徴のひとつ。
強いコシと小麦粉の風味をダイレクトに感じられるだろう。
3. 日光湯波
モデルコースでも食す「日光湯波」も、栃木で有名なご当地グルメだ。
湯波とは豆乳を煮た際にできる膜を引き上げて食べる、大豆料理のひとつ。
お刺身として醤油やポン酢などをつけて食べるのが定番で、風味豊かでクリーミーな豆乳の味わいが口いっぱいに広がる。
京都もゆばの名産地として知られているが、日光のゆばとは製法も漢字も異なる。
京都の湯葉は膜が一枚仕立てだが、日光湯波は折るように引き上げ、二枚仕立てとなる。
日光は「湯波」と書くのに対し、京都では「湯葉」と表記するので注意して見てみよう。
二枚仕立ての日光湯波は間に豆乳が混ざり込むため、より深い豆乳の味わいを感じられる。
春の絶景に出会える栃木の桜の名所
紅葉の名所だけでなく、桜の名所も多い栃木。
春に栃木へ訪れるなら、旅行プランに花見も加えてほしい。
どこに行くか迷ったら、まずは「日本さくら名所100選」のひとつ「日光街道桜並木」をプランに加えるか検討してほしい。
約1,500本の桜が約16kmの街道を桜のトンネルに変える。
約300本の桜と1,000本以上ものツツジが咲き乱れる「千手山公園」もお勧め。
園内には小さな遊園地もあり、観覧車から桜を鑑賞できる。
栃木の中心都市・宇都宮市にある「八幡山公園」も桜の名所のひとつ。
約800本もの桜で彩られる園内を散策してみよう。
栃木の例年の桜の開花日・満開日・見頃は、以下の表を参考にしてほしい。
なお、その年の気候や気温、スポットによって開花日や満開日、見頃は異なるため注意しよう。
- 開花日
- 3月30日
- 満開日
- 4月6日
- 桜の見頃
- 4月6日〜4月12日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
雄大な自然景観が美しく染まる栃木の紅葉の名所
栃木の魅力である雄大な自然景観は、秋になると表情を変える。
紅や黄金色などに染まる、山々や渓谷の美しさは格別だ。
日光エリアは紅葉の名所が特に多い。
錦色に染まる山々に囲まれた中禅寺湖、様々な色彩に染まる木々を車窓から楽しめる「いろは坂」。
「竜頭ノ滝」では、紅や黄金色に染まる木々と滝が調和した絶景に出会えるだろう。
栃木の自然景観を満喫したいなら、ぜひ秋に旅行してほしい。
9月下旬〜11月と長い期間、紅葉を楽しめるのも嬉しい。
その年の気候や気温、スポットによって見頃は異なるため注意してほしい。
栃木旅行に関するよくある質問
Q
栃木を旅行するのにお勧めの季節は?
雄大な自然景観が紅葉染まる秋がお勧めです。
Q
親子旅行で栃木に行くならどこのエリアがお勧め?
リゾート地である那須エリアには、レジャー施設が多く、子供も大人も目一杯楽しめます。
まとめ
この記事では栃木のエリアごとの魅力や知っておきたい交通情報、1DAYモデルコースなどを紹介してきた。
記事の内容を参考に旅行すれば、雄大な自然景観と世界遺産だけでなく、様々な栃木の魅力に出会えるだろう。
栃木の観光スポットをもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてほしい。
きっと日帰りではなく、1泊・2泊と旅行の日程を延ばしたくなるだろう。